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平群北小4年の地域学習では、椣原の勧請綱掛けについて紙芝居で学んだ=2024年11月25日、奈良県平群町緑ケ丘1丁目、今井邦彦撮影
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 地域の人たちが保存会を作って継承に取り組む奈良県平群町椣原(しではら)の「勧請綱掛け」が、今年度は地元・町立平群北小学校4年生の地域学習のテーマに取り上げられた。11月25日には同校で紙芝居を使った授業があった。

 椣原の勧請綱掛けは、悪霊や疫病の侵入を防ぐため、毎年1月に地域の入り口にあたる竜田川(平群川)に、竜を模した長さ約27メートルの雄綱(おんづな)を張り渡し、約12メートルの雌綱(めんづな)を添える行事だ。約1千年前から続くとされるが、年々参加者が減少し、2年前に保存会が発足した。

 紙芝居は、イラストと写真で「綱掛け」の由来や行事の様子を伝える内容。保存会が作製し、紙芝居や読み聞かせの活動をしている「平群町おはなしの会」のメンバーが上演した。約40人の児童は、水の神である竜神と仏への信仰が結びついた物語に聴き入った。

 地域学習では、現地見学や綱編みの体験、なぜ長く続いてきたかの考察など、様々な角度から行事について学ぶ。紙芝居を見た児童からは「行事は大変そう」「使われる綱の形が面白い」などの感想が出ていた。

 保存会は、それまで参加できなかった女性や地域外の人にも、様々な形で門戸を開いている。今年度は地面に寝転がった人の上に、ボール状に丸めた雄綱・雌綱を転がして無病息災を祈願する「祝(い)おたれ」の行事にも、初めて女性の参加を認める。

 保存会の山本栄二代表は「古くからの住民の理解も得ながら、新しい人たちがどんどん行事に参加できるようにしていきたい」と話す。

 行事は来年1月12日午前8時半から、平群町椣原の金勝寺境内で。男性が雄綱と雌綱、女性や子どもがミニチュアの「子綱」を作り、午後には川に綱をかける。問い合わせは山本代表(090・3677・6082)へ。

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